マイナスネジは、ドライバの刃がネジの溝から外れやすく、操作の厄介なネジといえます。

本ドライバは、マイナスネジに対しても、スムーズかつ高速に締め/緩め操作ができます（念のために他方の手指を添えるのが望ましいです）。

本ドライバは、早回しポジションにおいて、回転軸が安定してしかも高速であるため、高速回転によって調心作用が働き、ドライバの刃がネジ溝から抜けることを防いでいるものと推測しています。

本ドライバを精密ドライバとして用いる場合は、必要トルクにおいて早回しポジションのみで作業できる場合が多いと思います。
高速であることと、逆手操作も可能という特徴を生かした作業が可能です。

また本ドライバは、強トルク用の補助工具を併用することで、低トルク状況での高速回転が可能な六角レンチ・ソケットレンチとして使うことができます。

ドライバ軸の軸先を、対辺6.35ｍｍのスパナで咥えてトルクの固い部分を処理し、トルクの軽いところは早回し操作で高速に抜き差しをする、という形で、従来は高速な作業の難しかった六角穴ネジや六角ボルトにも、効果的に対応することができます。

本ドライバは、極小径のドリル先を用いて、ピンバイスとして用いることができます。回転が高速でフライホイール効果が効き、回転軸も安定するため、通常のピンバイスに比べ、より精細な穿孔作業が可能になるのではないかと思います。

以下に、ホビー的使用として、幅約１ミリの銅板にφ０．３ミリの穴を開け、「解放テコ受け金具」を製作し、Ｎゲージ模型（１/１５０）のディテールアップを行った例を示します。

小径ドリルとして、手作業で慎重に穴あけ作業を行うような場合に大変有効です。本ドライバ製作例のグリップにある側面穴（ベアリング固定用作業穴）も、本ドライバのドリル的使用によってあけられています。

また高速性やフライホイール効果により、ハンドリーマーや、テーパーリーマーとの相性も良好です。

また金属への穴加工の際に必要となる、面取りやバリ取りも、本ドライバにドリルビットを装着して早回しすることで、簡便にしかもきれいに行うことができます。

グリップを把持する早回しのポジションにおいては、特に長い先端ビットを装着した場合を除き、ドライバを把持した状態で、ドライバ先端部に指を伸ばしてネジをドライバと係合させて保持することが可能です。このため、片手のみで、ネジをネジ穴に円滑に挿入でき、また着脱時のネジの落下を抑制することができます。

ドライバ中央部に設けられたグリップは、相対的に「動かない」場所ですので、グリップ末端部にストラップホールを設けて、ストラップやワイヤを取り付け可能とする構造にすることができます。ワイヤ等の装着により、高所での作業などにおいて、ドライバ本体の落下防止を図ることができます。

ワイヤを装着しても、ドライバの操作において大きな妨げにはなりません。

以下の動画は、上向き（天井方向）に入っているネジの操作と、ワイヤ装着例です。