KATO C62のリンク機構への改造 非公式側

前回は、「Nゲージ鉄道模型の加工 ~高速ピンバイスとしての適用例~」において、合併テコ・ユニオンリンク周りのリンク機構への改造を、公式側のみ行った記事でした。

その後、非公式側についても、リンク機構への加工・改造を行いました。

 

KATO C62 山陽形(呉線)2017-5 のユニオンリンクと合併テコをリンク機構に加工:非公式側

 

今回は、加工の際に気づいた事柄や、走行性についての注意点(問題点)について述べてみたいと思います。

 


 

公式側の加工で、リンク機構が成立している、と判断しましたので、非公式側は、細く作ることを念頭において加工しました。

ただ、材料が銅ということもあり、加工中の破損も怖いので、スケールレベルまでには至りませんでした。
ただ、公式側よりは、スマートになったかと思います。

 

基本的な工法は、前回(公式側)と同じです。穴あけにはハイスピードドライバを用います。

 

加工上の注意点としては、すべて手持ちで作業するよりも、要所は万力(バイス)などでしっかり保持したほうがよいと思います。

例えば合併テコに溝を掘る工程では、細い溝を掘るために、垂直がぶれないことが重要であり、バイスに固定したほうがよい結果が得られました(公式側は手持ちでの作業でした)。

合併テコへの溝切り加工:万力(バイス)で固定

 

また、銅棒の余り部分は、できるだけ最後まで切断せずに、持ち手として残しておいたほうが、加工材を細くしていく上で有利です。
ある意味、持ち手を切断するところで、細さはある程度決定されます(それ以上細くするのは困難)。

下は、加工の済んだ合併テコ・ユニオンリンクです。元のパーツも比較においてあります(ユニオンリンクはニッパーで切断したので短いです)。

合併テコ・ユニオンリンクの製作

 

また、前回の記事で、バルブスピンドルガイドの縦穴を0.6mmドリルの側面で削って幅を広げる加工をしており、今回も可動域を高めるため拡幅しましたが、この作業は、ドリルをハイスピードドライバに装着して、縦穴にドリルの腹を押し付けながら高速回転させる形で行っています。

電動機器(ルーターに装着するなど)では削りすぎになる可能性があり、注意が必要です。

 

機関車に組み込んだ状況が、下の画像です。

KATO C62の、ユニオンリンク・合併テコを加工してリンク機構とした状況

 

今回の加工では、クロスヘッドへの穴あけに若干失敗し、やや上に穴がずれてしまいました。
また、ユニオンリンク・合併テコの穴の間隔は、前回の備忘録サイズで開けたのですが、合併テコが、わずかに長かったようです。

全体としては、公式側よりも、コンパクトになっていると思います。

また、ユニオンリンク・合併テコが金属になったことにより、クロスヘッド・ピストン棒がプラのままでも、プラ感が目立たなくなったように思います。

なお、公式側と同様、スライドバーはモーションプレートにゼリー状瞬着で固定しましたが、もともと隙間が開いていて、やや苦労しました。

 

合併テコとユニオンリンクをリンク機構とした KATO C62 山陽形(呉線)2017-5 実験機:非公式側

 

斜め前から見た非公式側です。まだ大げさな感じはありますが、合併テコ側面は、公式側よりかなり削りこんでいます。
今回の材料と工法では、このあたりが限界かもしれません。個人的にはまずまずの仕上がりとみています。

 

なお、今回の加工は、基本的にリンク機構への改造のみで、常点灯や機炭間の短縮などは行っていません。
「Nゲージ蒸気機関車」の工作記事の、試作Bの方式で、従台車の隙間埋めを行っています。

 


 

後は、走行テストです。

動画中にもコメントしていますが、R348の左回り前進において、異音が生じました。左回りでも後進では音はなく、右回り前後進も大丈夫でした。
ロッド類に、何らかの負荷がかかっているようです。

原因究明には、各部を再分解して、一つ一つ状況を確認していく必要がありますが、接着固定しているので、それはできません。

オリジナルとの相違点は、ユニオンリンク・合併テコを新造してリンク機構にしたことと、スライドバーを固定したことです。

推測するに、両側のスライドバーを接着固定し、遊びをなくしたことがカーブにおけるロッド類への負荷を強めたのでは、と考えています。
あるいはスライドバーが理想的な位置に固定できなかった、という可能性もあります。
(このあたり、個体差もあるかもしれません。)

 

他の曲線半径でもテストしてみたところ、R381では異音あり、R481,R718では異音なしでした。

要するに、カーブがゆるければ大丈夫といえそうです。

C62なので本線用、とみるか、構造が実機に近くなった分、カーブへの要求も厳しくなった、とみるか、さしあたり、そういった解釈で、今回の実験は結論付けたいと思います。

 

ゆったり走っている姿はなかなか雰囲気があり、それなりの成果はあったと考えています。

 

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